トップページ>ライターになるために!>編集者・ライターにとって、今はチャンスなんです。
米光一成/ゲームデザイナー・フリーライター①
2010 / 09 / 22
出版界では、相次ぐ雑誌休刊や21年ぶりの市場2兆円割れなど暗い話題が多い中、ゲームデザイナー兼ライターである米光一成さんがいうには、編集者・ライターにとって今が変革者になれる時期だそうです。今回は米光さんがそのように考える理由を中心にお話を伺います。

――米光さんから見て、今の出版界は今後どうなっていくと思いますか?
雑誌休刊や、市場規模縮小など、マイナスなイメージのニュースが多く飛び交っていますが、編集者・ライターにとって、実は今ものすごくチャンスなんです。
2010年の出版界は、ゲーム業界の1983年の状況と似ている。
ゲーム業界は1983年にファミリーコンピューターが発売されたことによって、可能性が爆発的に広がりました。
ボードゲームが主流であった時代と比べてゲームクリエイターが100倍いや1,000倍は増えたはずです。
次々とアイデアが投入されて、新しい表現が登場し、どんどん新しいセカイが切り開けていったんです。
出版も、いまそうなっています。
新しいことが次々と起こっている。
それに気づかないで、旧来の出版業界的な尺度で測る人には縮小に見える。
出版そのものは爆発的に拡大していきます。
わかりやすい例を出せば、キンドルやソニーの電子書籍リーダー。
紙の本以外の媒体が増え、新しくできることが日々増えている。
Twitterだって出版です。Twitterは何を読むか自分がカスタマイズするので、twitterを使っている人は、ライターであり、同時に編集者でもあるわけです。
直接お金が動いていないから、そういうところはニュースの市場規模では出てこない。
でも、たとえば、ぼくはtwitterで新しい人にあって仕事が発生したし、モノを買った、講演の依頼もあった。
ぼくの中の市場規模は、twitter係数うなぎ登りですよ。
そういったコミュニケーション型の出版の変革が起こって、どんどんライフスタイルが変わってきているんです。
紙が束になった本という物質をやりとりすることが出版だと勘違いしていれば、そういった変化は見過ごされてしまいます。
アナログな本は固定化された文字情報ですが、デジタルだと変化する情報です。
対話のように、言ったことを取り消したり、追加したりが、簡単にできる。
止まらない情報なんです。
――やはり電子書籍が進化することによって、紙媒体は衰退してしまうのでしょうか?
よく「電子書籍VS紙媒体」と、対立関係のように言われるけど、ぼくは、そう思わないんです。
より「いい本」が残っていくというだけです。
電子書籍の可能性と、紙の本の可能性は違うところにあります。
だから、今後、紙の優位性を活かした本が出ることで、本が生き返る。
本は、スローなメディア。そこが利点です。10年かけて読んでもいい。
100年前の本と同じものが読める。
しっかりと固定化していることが価値なわけです。
内容や装丁、作りにこだわりぬいたものが出て、生き残っていく。
1万円の本だってたくさん出てくるかもしれない。
それだって、キンドル1台買うより、圧倒的に安いですからね。
もういっぽうで、ポンと投げ置けるのも紙の利便性です。積み重ねたり、乱暴に扱っても壊れない。
その気楽さ。
――なるほど。たしかにそうですね。
電子メディアと紙メディアそれ以外も含めて、編集者・ライターなど出版に携わる人が、変革者になれるタイミングなんです。
編集者やライターの仕事の本質的な部分は生き残るけど、表層の部分は変わっていく。
これまでの編集者・ライターという型に固執してきた人には、辛い時代かもしれない。
――今年が変革の年だということは、ゲームクリエイターとして今のゲーム業界の草創期を見てきた経験からでしょうか?
勃興期のおもしろさ、新しい表現の可能性が広がる世界が好きなんです。
プロフィール
『ぷよぷよ』『トレジャーハンターG』『BAROQUE』など多数のゲーム監督・企画・脚本を
手がける。ライターとしても幅広く活動しており、著書に『仕事を100倍楽しくする
プロジェクト攻略本』(KKベストセラーズ)などがある。立命館大学映像学部教授。
個人ブログこどものもうそうblog。西武池袋コミュニティカレッジ「読みのレッスン」の講師も務め、表現に繋げるための自由な読みを指導している。
米光一成さんのブログ こどものもうそうblog
米光一成さんの著作は・・・。
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