トップページ>ライターになるために!>はじめは、温泉の違いが分からないから、人をからめるしかなかったんです。
山崎まゆみ / 温泉エッセイスト ②
2009 / 12 / 29
『BE-PAL』編集部に「君、脱げる?」といわれたことから始まり99年から4年3ヶ月も連載された「混浴美女秘湯めぐり」。今回はこの連載で身につけたものから、温泉を書きわける秘訣などを伺いました。
取材力ですね。というか、そんな格好いいものではなく、度胸でしょうか(笑)。
温泉施設へは休日だとご迷惑になるので平日の昼間に行くのですが、そうすると入浴している人なんてあまりいないんですよ。
だから近くの路上にいる人に「わたしと混浴しませんか!?」って、もうナンパしていました(笑)。
せっかく一緒に入浴していただいても、おもしろい話を引き出さないといけないんですが、これがなかなか難しくて。。。
最初のうちは無理矢理入らせて写真まで撮ったのに、雑誌に載っていない、送れない、ということもしばしばありました。

――それは、どうやって克服されたのですか?
場数です!
何人もの方に声をかけ取材していると、不思議と鼻がきくようになるんですよ。
あの人おもしろそうっていうのが、路上で声をかける前にわかるようになりました。
『DIME』では企画力を、『BE-PAL』では取材力を身につける仕事をさせて頂いたと思っています。
『DIME』『BE-PAL』編集部には、とても感謝しています。
――「混浴美女秘湯めぐり」からはじまり、丸10年温泉について書かれていますが、温泉エッセイストとして生計をたてていこう! と思えた理由は何ですか?
スタートが、混浴だったからですかね。
混浴が好きということもあるけれど、書く場所としておもしろかったんです。
ただ温泉を知れば知るほど、混浴というものだけでなく、日本人と温泉の関わりに興味を持つようになりました。
今は、温泉が癒しなどのレジャーとして取り上げられることが多いですが、明治・大正・昭和の初期くらいまでは多くの文士達も温泉について書くなど、「温泉文学」というのも確立されていました。
歴史との関わりひとつでも、いくらでも温泉について掘り起こして書くことができるんです。
それにわたしが書き始めたころに、温泉について書いている人はいましたが、50代60代の男性が主流で、20代の女性のライターはあまりいなかったんですよ。
とても珍しがられました。
きっかけというよりは、気づいたら温泉を書くことがおもしろくなっていて生計を立てていた、という感じですね。
そして何より温泉という分野は、日本人が大好きなものですし、仕事もあり生計はたてやすかったかもしれません。
――温泉の違いを書きわける秘訣はありますか? 失礼ながら、どうしても同じお湯にしか見えなくて・・・。
専門家としては、泉質も違えば季節によっても湯も多少は変化しますので、いくらでも書きわけられます。
でもそれは10年やったからこそであって、わたしも最初のうちはただのお湯にしか見えなかったんですよ。
だから「人」をからめて書くしかなかったんです。
出会ったその瞬間にしか書けないものを書くようにしました。
わからないなりに考えた結果、自分なりのスタイルができたということでしょうか。
今思えば、混浴で人の話を書くということが、新鮮だったんでしょうね。
先ほどの温泉エッセイストとして、生計をたててこれた理由にもつながりますが、わたし自身、人の真似が苦手な性格なので、わたししかやっていないということが、一種の快感だったんです。
プロフィール

新潟県長岡市生まれ。
日本だけでなく世界中の温泉をめぐり、現在21カ国750箇所以上の温泉を訪ね歩く。
「温泉での幸せな一期一会」をテーマに、テレビやラジオ、新聞、雑誌などでレポートしている。
近著には『ようこそ! 幸せの混浴温泉へ』(東京書籍)、『だから混浴はやめられない』『ラバウル温泉遊撃隊』(ともに新潮社)など。
また、国交省が任命する「YOKOSO!JAPAN大使」の一人である。
山崎まゆみさんオフィシャルサイト 山崎まゆみのいい湯だな
『BE-PAL』に連載された「混浴美女秘湯めぐり」の単行本
『混浴美女秘湯めぐり』
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