トップページ>文章のための法律相談>文章のための法律相談 ブログ編⑩ ~個人批判~

文章のための法律相談

文章のための法律相談 ブログ編⑩ ~個人批判~

ブログを見ていたら、わたしが通っている大学の講義の内容について、教授の個人名(本名)をあげて批判しているものがありました。
こういった個人批判は、法律上、何か問題にならないのでしょうか?

個人批判の内容が、その人の人格、すなわちその人の社会的評価(名誉)やプライバシーを傷つけている場合、その人が有名無名であるかを問わず、不法行為(民法709条)の一類型として、損害賠償請求、慰謝料請求、名誉回復措置の要求などの問題に発展することがあります。

「言論の自由」という権利があるので、批判も許されるのではないか、と言われることもありますが、これが認められるのは、文章や発言などに対しての批評・批判や反対意見についてです。
今回の大学講義の内容への批判の場合、その批判の内容にもよりますが「言論の自由」に当てはまる可能性が高いです。
なぜなら、反対意見を発表したからといって、それが直ちに相手の人格を傷つけることにはならないためです。

また個人には、人格権の一種として、「名誉」のほかに「プライバシー」、すなわち「私生活上のことをみだりに公開されない権利」があります。
したがって、批評・批判のレベルを超えて、たとえば、ある特定の個人について、「過去に倒産歴がある」、「特定の女性と不適切な関係にある」などの虚偽の事実をブログに載せるような行為をすれば、当該個人の人格は著しく傷つけられたことになります。
つまり、個人批判であるかどうかは、当該個人の人格権(名誉、プライバシー)を侵しているかどうかが、判断のポイントなのです。
新聞や雑誌でたびたび見られる、事実でないことを、あたかも事実であるように記事にする行為は、もちろん名誉毀損(きそん)やプライバシー侵害の対象になります。

とはいえ、個人の人格を重く見過ぎて、事実を報道することに制限を加え、名誉毀損などの成立する範囲を広く認めてしまうと、犯罪や不祥事など社会に対して大きな被害をもたらしかねない不正行為についての報道や内部告発までもが、名誉毀損やプライバシー侵害にされてしまう可能性があります。
こういった場合、個人の人格よりも公共の利益が優先され、名誉毀損などにならないこともありますが、当然のことです。
なお、名誉毀損の問題は、民事事件(損害賠償。名誉回復)にとどまらず、刑事事件(名誉毀損罪)に発展することがあります。


監修/宣伝会議 法務室

文章の法律に関して質問・疑問等ありましたら、お気軽に編集部(henshu@sendenkaigi.co.jp)までご連絡ください。お待ちしています。

編集会議.comトップへ戻る

Backnumber

Backnumber一覧
 
 
Copyright (C) SENDENKAIGI Co.,Ltd. All Rights Reserved.