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編集者になるために!

 

第12回 :撮影トラブル対処法

 

この連載も今回を含めて残すところ2回です。これまでは技術的なことや、実際の撮影にあたってうまく撮るためのコツを中心に話してきました。それらを踏まえて撮影に臨めば、クオリティの高い写真が撮れるはずです。ただし、現場にトラブルはつきもの。どんなに技術的に成熟してきても、突然のトラブルで撮影がうまくいかなくなることもあります。しかし、トラブルは予測することが可能で、ほとんどが同じ原因であることが多いのも事実です。今回は、トラブルの中でも実際によくあるものをピックアップして、その対処方法をお教えします。


一番気をつけるべき「肖像権」

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 撮影で、一番気を付けなければならないのは肖像権の問題です。肖像権は大きく2つに分けられます。1つ目は全ての人に帰属する権利で、本人の許可なく撮影したり、撮影された写真を公開されない権利です(人格権)。2つ目は著名人の肖像に対する権利で、肖像に金銭的な価値があると認められる場合に適応されます(財産権、またはパブリシティ権)。

 承諾を得た撮影であれば、肖像権が問題になることはまずありません。インタビュー写真の場合は撮影が入る旨をインタビュイーに事前に連絡します。けれど、例えばサッカースタジアムで応援するファンを撮影する場合のように、本人の許可を得ることが難しい場面もあります。事前許可の無い撮影では、「撮られたくなさそうな素振りの人は撮らない」がルールです。アイコンタクトでコミュニケーションをとったとき、カメラを向けた際に、笑顔が返ってくればシャッターを切って大丈夫です。これは第3回の『スナップ写真の基本とルール』を参考にしてください。


撮影許可が必要な場所も

 次に注意しなければならないのが撮影場所です。人物の撮影と同様に、場所によっては申請して許可を得る必要があります。レストランの一室でインタビュー写真を撮るのであれば、店舗側に撮影の概要を伝えて了承を得ておきましょう。商業ビルや交通機関のように普段何気なく出入りしている場所も、営利目的で撮影するのであれば事前許可が必要です。取材の計画を立てる時点で、撮影場所の許可が必要か否か、必要であればどこに申請すべきなのかを調べて手配を済ませましょう。

2大アクシデントはバッテリー切れとデータ消滅

 首尾よく撮影許可を得ることができ、いよいよ取材に出掛けるというときの必須アイテムと、あれば便利な物についても触れておきます。デジタルカメラの2大アクシデントはバッテリー切れと撮影データの消滅です。バッテリーを充電しておくのは勿論ですが、替えのバッテリーと緊急用のバッテリー充電器も用意して出掛けましょう。
 撮影データは必ずバックアップを取ります。日付別にフォルダを作って管理すると便利です。撮影枚数が多くなるようであれば、携帯用ハードディスクを活用するのも1つの方法です。簡単にバックアップを取ることができ、画面を見て誌面に使う写真を選ぶこともできるフォトストレージがお勧めです。

 取材撮影のトラブルを避けるコツを一言で表せば、「相手を尊重する」ことに尽きます。守るべきものをきちんと守り、相手の立場に立って考える習慣をつけることが重要です。
 連載を通して解説した撮影の心構えと基礎技術を踏まえて、周囲への配慮を忘れず撮影に向かってください。最終回である次回はみなさんの更なる成長を期待して、ちょっぴりハイレベルな写真技術の話で締めくくります。
 

(文・春日優子)




善本喜一郎氏 プロフィール

善本喜一郎(よしもと・きいちろう)編集者・ライターのための連載写真講座
1960年東京都生まれ
フォトスタジオKiPSY代表
社団法人日本広告写真家協会常務理事
自身が代表を務めるフォトスタジオKiPSYには多くの著名人がポートレイト写真を撮りに訪れる。
また、2008年より宣伝会議 編集・ライター養成講座の写真担当講師も務める。

善本さんのフォトスタジオ
KiPSY HP http://www.kipsy.jp


最近の仕事
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写真1:ヱビス「Y列車で行こう! Vol.4日光線・烏山線の旅」

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写真2:「120年記念 匠ヱビス」の秘密

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