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編集者になるために!

 

第11回 :ホワイトバランスで色の再現を自在に

 

第7回から続いたカメラのメカニズムについては、今回でひとまずおしまいです。最後はホワイトバランスについて。室内の撮影などで、「なんだか写真の色が変だな」と感じたことはありませんか? 異なる環境の中でも色の認識ができるように、ヒトの視覚は色を自律的に調整します。同じように、カメラも自動的に色の調節を行うのです。この色合わせのことをホワイトバランスと呼びます。


光源の種類

 デジタルカメラをオートモードにして撮影すると、色はかなり自然に写ります。これはオートホワイトバランスのおかげです。この設定ではカメラはレンズに入ってくる色(光)を識別して、白を白く写すよう自動的に補正します。けれど、複数の光源が混じっている場所では、カメラはホワイトバランスの調整を苦手とします。
 光源とは、読んで字のごとく光の出所(でどころ)です。その種類はどんなものがあるでしょうか? すぐ思い浮かぶのは太陽の光でしょう。いわゆる「自然光」ですね。他には、「白熱電球」や「蛍光灯」があります。
 光源が混じりやすい室内での撮影は、写真の色と目で見た色に差異が生じやすくなります。色が不自然であれば、光源を1つに絞って撮り直してみましょう。被写体を窓辺に動かせば自然光で撮影できます。不必要な光源は消してみてください。被写体も光源も動かせない状況であれば、自分の身体で不必要な光を遮るなどの工夫が必要です。


光を観察する

 ホワイトバランスの感覚を身につけるには、光を観察することです。写真を撮るときに、どこから何色の光がどれぐらいの強さで被写体を照らしているのか確かめましょう。光源を見ただけでどのような写真になるかが頭の中で見えるようになることが目標です。光が見えるようになれば、カメラの機能を駆使してホワイトバランスをコントロールすることも可能になります。複数の光源がある環境でホワイトバランスを調節したり、敢えて光源の色を活かしたり強めたりすることによって、思い通りの色の写真が撮れるようになってきます。


ホワイトバランスの設定の効果

manekineko01.JPG

manekineko02.JPG

 上下の写真には壁に並んだ招き猫が写っています。同じ場所、同じ被写体を撮った2つの写真の色味の違いが、ホワイトバランスの調整結果です。上の写真は光源が2ヵ所あり、室内は暖色系の電球で照らされ、上層部からは自然光が差し込んでいました。この写真では、ホワイトバランスは室内の白熱電球に合わせています。結果として、天窓から差し込む晴天の自然光は実際よりも少し青みが強くなりました。反対に、招き猫に寄った下の写真では暖かみのある電球の光を活かすべく、晴天モードで撮影しています。
 カメラにはオート以外にも様々なホワイトバランスのモードが搭載されています。ホワイトバランスをコントロールする第一歩として、まず晴天、曇り、電球の3つのモードの特性を知りましょう。目では識別しづらいのですが、日光には弱い青みがかかっています。晴天モードはその青味を補正するため、写真に薄く黄色のフィルターをかけるように調整されます。曇りの場合は光に更に青みが出てくるため、晴天モードよりも強めの黄色が写真に加えられます。逆に電球は黄色が強い光源なので、青みが足されます。それぞれのモードの効果を知っていれば、光源の特徴を薄めたり強めたりすることができますね。
 例えば電球に照らされた被写体を晴天モードで撮れば、琥珀色の光源の雰囲気が更に際立たちます。
 
       ←赤味が増す        青味が増す→

 ろうそくの火 ← 白熱電球 ← 蛍光灯 ← 晴天 → 曇天 → 晴天日陰


その場の光源を活かす

 ここまでホワイトバランスのコントロールについて解説してきましたが、その場の光源をそのまま活かすのも有効な方法です。それなりの飲食店であれば店内の照明は食べ物を美味しく見せるよう工夫されています。敢えてコントロールを手放して撮影することで、その場の雰囲気を伝えることもできるのです。
 カメラのメカニズムを学ぶとついつい写真の目的を忘れて撮影技術に走りがちですが、必要であればテクニックを捨てる勇気も持ってください。もちろん、撮影の幅を広げるためには取捨選択できる技術を持つ必要があります。今回まで5回にわたって学んできた写真撮影の基本的なメカニズムは是非身につけてください。
 次回は撮影でトラブルを避けるために気をつけるべきポイントについてです。注意点と対応のコツがわかっていれば、余裕を持って撮影に臨めるようになります。
 

(文・春日優子)




善本喜一郎氏 プロフィール

善本喜一郎(よしもと・きいちろう)編集者・ライターのための連載写真講座
1960年東京都生まれ
フォトスタジオKiPSY代表
社団法人日本広告写真家協会常務理事
自身が代表を務めるフォトスタジオKiPSYには多くの著名人がポートレイト写真を撮りに訪れる。
また、2008年より宣伝会議 編集・ライター養成講座の写真担当講師も務める。

善本さんのフォトスタジオ
KiPSY HP http://www.kipsy.jp


最近の仕事
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写真1:ヱビス「Y列車で行こう! Vol.4日光線・烏山線の旅」

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