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編集者になるために!

 

第5回 :室内イベント撮影は腰を据えて ~シャッターチャンスは粘って待つ!~

 

読者に「行ってみたいなぁ」と思わせる風景写真の撮影は、イメージに合った場所を探すところから始まりました。風景写真は撮影場所の選択肢も幅広く、撮影の時間帯によって写真の雰囲気を変えることも可能です。比較的自由度の高い撮影だと言えますね。対照的に、記者会見や講演会、ライヴなどの室内イベントは限られた空間と時間の中で行われます。制限の多い室内イベントでは、どのように撮影をすればよいのでしょうか。

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写真1:空間を大胆にフレーミングしたイメージカット


撮影する場所によって切り取れるシーンは変わる

 「室内」とひとことで言っても、その大きさは様々ですが、たとえ狭い会場であってもどこから撮影するかによって切り取れるシーンは変わってきます。限定された空間だけに、室内イベント撮影では風景写真以上に場所選びが写真の出来を左右します。逆を言えば、撮影場所が確保できるかどうかが、写真の出来上がりの7~8割を決める大事なファクターとなるのです。必ず早めに会場に行って舞台の位置と室内の状況を確認し、撮影場所を確保しましょう。

 では、撮影に適した場所とはどんなところでしょうか。それは、出演者全員を見ることができ、客席も半分ぐらい見えて、かつ他の人の邪魔にならない位置です。出演者を視野に入れることのできる場所を見つけたら、そこから客席も撮影できるかどうか確認します。柱のような視界を遮るモノがあれば、自分がその前に移動する。すると、選択肢は必然的に会場の最後尾か左右の壁沿い、または中心部で障害物を背にした場所になります。ある程度の大きさの会場であれば必ず真ん中あたりに柱があるので、会場の中心部に入る場合には、客席から舞台を邪魔することのないよう、柱を背にしましょう。
 イベントでは、ついつい最前列に行ってしまいがちですが、最前列では会場の雰囲気が写せなくなってしまいます。その場の盛り上がりを伝えたいのであれば、上記のポイントをおさえて撮影をすることがベストです。


あまり動かず出演者に意識を集中


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写真2:ライヴ出演者を中心にしたカット    写真3:観客も入れ会場の雰囲気を伝えたカット


 この会場では、客席側の横が一段高くなっていました。段差のおかげで客席から舞台を遮ることもなく、座ったまま撮影をすることができました。
今回の3枚の写真はすべて同じ場所から撮ったものです。一度ポジションを決めたら、あまり動かないこと。動きまわると他の人の迷惑になりますし、会場によってはフロアが薄暗くなっているので危険です。あちこち移動するよりも、その場所に腰を落ち着けて出演者に意識を集中させましょう。出演者の動きを読みながら、シャッターチャンスを辛抱強く待ち構えて撮ったほうが、相手を追いかけて色々な場所から撮るよりもいい写真が撮れるものです。
 ライヴなど出演者が舞台上を動く場合には、「この場所に来たらいいな」と思うポイントを決めておきます。舞台を見れば、マイクや楽器等の配置から大体の動きが想定できますね。演者がこちらの思うとおりに動いてくれることはあまりありませんが、そのシーンを事前にイメージしておくことによって、実際にそのポイントに被写体が来た瞬間にシャッターを切ることができます。
 
 撮影場所を決め、「こうなるといいな」と思うシーンをイメージしておく。撮影の自由度が高い風景写真も、制限の多い室内イベント写真も、コツは基本的に同じです。ただし、室内写真では一度場所を決めたら動かず、粘るという点が異なります。だからこそ、最初の場所選びが肝心です。慣れるまでは、事前に会場内を歩き回り、ここはと思う位置からファインダーを覗いて確認しながらポジションを決めましょう。じっくり場所選びをする時間を見込んで、早めに会場に行くことが大切です。

(文・春日優子)




善本喜一郎氏 プロフィール

善本喜一郎(よしもと・きいちろう)編集者・ライターのための連載写真講座
1960年東京都生まれ
フォトスタジオKiPSY代表
社団法人日本広告写真家協会常務理事
自身が代表を務めるフォトスタジオKiPSYには多くの著名人がポートレイト写真を撮りに訪れる。
また、2008年より宣伝会議 編集・ライター養成講座の写真担当講師も務める。

善本さんのフォトスタジオ
KiPSY HP http://www.kipsy.jp


最近の仕事
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写真1:ヱビス「Y列車で行こう! Vol.4日光線・烏山線の旅」

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写真2:「120年記念 匠ヱビス」の秘密

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