トップページ>編集者になるために!>『日経ヘルス プルミエ』編集長 西沢邦浩さんがおススメする3冊
編集者を目指す人に読んでもらいたい/人生を変えた、影響を受けた/仕事の参考になった 本
2010 / 03 / 10
分子生物学者でありながら、名文家であり、優れた編集者の視点も持つ畏友の一冊。
同じ作者の「動的平衡」も「生物と無生物のあいだ」もお薦めだが、本書で福岡ハカセが示した事象を捉える視点は、編集者を目指す人にもライターを目指す人にも参考になるだろう。
「人生を変えた、影響を受けた本」
『変身物語<上><下>』 オウィディウス、中村善也訳 岩波文庫
ギリシア神話から変身譚を集成した書。
後世、"小説(novel)"というジャンルが出来、無数につむがれてきた物語の種子はすべて、この書の中にあるのではないか。
高校時代、いろいろなことが重なって失意のどん底にあった時期に手にした。ある日、「1冊だけ本を持つことを許されて、無人島に追放」という目に遇ったとしたら、やはりこの本を選ぶだろう。
そして、「神話の時代から、そもそも人の生は思いもよらぬ展開を遂げるものなのだ」とうそぶきたいものだ。
「仕事の参考になった本」
『食医 石塚左玄の食べもの健康法』 橋本政憲訳 農文協
明治の大食養医(食で人を治す医師)が記した一般人向けの健康書『食物養生法』の現代語訳。
常に、「はやったが勝ち」の"とんでも健康法"が現れては消えていく健康情報の世界。そんな有象無象の中でおぼれそうになり、編集者としての信念が揺らぎそうになったときに、「本質を見失うな!」と叱咤激励してくれる本。
こう書くと難しそうな感じがするかもしれないが、現代から見ればおかしなところも含め、なかなかコミカルな本です。
今回おススメしていただいた、西沢邦浩さんが編集長をつとめるのは・・・。
毎月20日発行
日経ヘルスオンライン http://nh.nikkeibp.co.jp/nh/index.html
西沢邦浩さんプロフィール
1961年長野県生まれ。 小学館(「女性セブン」編集部)を経て、91年日経BP社入社。
「日経エンタテインメント!」創刊など、新媒体・新事業開発業務に携わる。
2005年1月「日経ヘルス」編集長、2008年1月から「日経ヘルス プルミエ」編集長に就任。