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編集者になるために!

 

新聞は「建前」のメディア、雑誌は「本音」のメディア。

越川健一郎/毎日新聞『サンデー毎日』元編集長①

 

毎日新聞社会部記者、甲府支局長、『サンデー毎日』編集長などを歴任し、現在は毎日新聞東京センター代表取締役社長である越川健一郎さん。今回は、新聞と雑誌どちらの記者も経験がある越川さんだからこそ感じる新聞と雑誌の違いなどを伺いました。

編集者の視線:越川健一郎/毎日新聞社『サンデー毎日』元編集長①

新聞は「建前」のメディア、雑誌は「本音」のメディア。


――新聞と雑誌どちらも経験されたことのある越川さんから見て、違いは何ですか?

ひと言で言うと、新聞は「建前」のメディア、雑誌は「本音」のメディアだと考えています。

新聞記者は、社会部に配属になったら、必ずと言っていいほどサツ回り(警察取材)があり、記者クラブに通います。
新聞記者は主に、こういった官公庁の人から情報を入手し、それを記事にしているんです。
官公庁との関係を良好にしておくためにも、建前しか書けないんですよ。
事実ほどつらいことはないですから、短所をズバッというより、オブラートに包んだほうが物事が円滑に進んだりしますからね。
ウソも方便というじゃないですか。

雑誌は、そういったしがらみがないので、新聞では書けないような本音をズバっと書いているんです。

わたしが『サンデー毎日』の編集長になるとき、前任の編集長から「節度をなくせ!」といわれましたよ。

新聞社系は、やはりそれまでに培われてしまったのか、節度をなくせと言われても、新聞イズムというか、自ずと制御してしまう部分が出てしまうんです。
だから同じ週刊誌でも、出版社系と新聞社系では違うんです。
出版社系はこれでもか、というところまでやりこめてしまいますから。

出版社週刊誌の代表である『週刊文春』と『週刊新潮』にも違いがありますよ。
『週刊文春』は、どちらかというと人間味があるというか、記事の対象者に対しても最後には救いをみせるんです。
それに比べて『週刊新潮』は、溺れている人に矢を放ってとどめを刺すというか、どこまでも突っ込んでいくんです。
こういうところが「スカッとするから好き」という『週刊新潮』読者も多いみたいですよ。


――越川さんが週刊誌の記者時代、記事を書く際に気をつけていたことがあるそうですが、それは、どんなことですか?

1つの記事を書く際に、3つの特ダネを盛り込むようにしています。
その3つも盛り込む順序があるんです。
1番目(導入部分)・・・3つの特ダネのうち2番目に面白いネタ
2番目(展開部分)・・・3つの特ダネのうち最も面白いネタ
3番目(結論部分)・・・3つの特ダネのうち3番目に面白いネタ

とはいっても、毎回毎回1つの記事に3つも特ダネをつかめるとは限らないんですけどね・・・。


――ちなみに、越川さん自身は新聞と雑誌どちらのほうがメディアとして好きですか。

う~ん、雑誌ですかね。
これは両方を経験したからわかることなんでしょうが、雑誌のほうが書きたいことをとことん書けますから。
新聞だと行数など書くスペースにも制限が出てきてしまいますしね。


――――今は現場を離れている越川さんが、客観的に見て、現在の新聞記者、週刊誌記者についてどう思っていますか?

職人芸が劣化してしまっているような気がしています。
報道記者が自分たちのことを、偉いと勘違いしてしまっているのかもしれません。
だから、読者も離れていってしまっているのではないかと思います。

「事実の前には謙虚であれ」
新聞も雑誌もメディアはすべて、読者の前にはサーバントなんです。
評価をするのはメディア自身ではなく、あくまで読者なのですから。


(続きます) 第2回はこちら

プロフィール

1954年千葉市生まれ。1978年毎日新聞入社。
甲府支局長、『サンデー毎日』編集長、東京本社代表室長、毎日新聞東京センター常務取締役を歴任し、2009年6月、毎日新聞東京センター代表取締役社長に就任。



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