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編集者になるために!

 

雑誌は、「読者のモチベーションに火をつけられる」媒体です。

井上敬子/文藝春秋『CREA(クレア)』編集長③

 

「母になる!」「お腹やせ」「パワースポット」など、ひとつのテーマを徹底的に掘り下げる特集主義で有名な『CREA』編集長井上敬子さんに、今回は、企画を決めるポイントから編集の醍醐味について伺いました。

編集者の視線:井上敬子/文藝春秋『CREA(クレア)』編集長③

雑誌は、「読者のモチベーションに火をつけられる」媒体です。


――特集企画はどうやって決定されているのですか?

部員から提出された企画を見て、これまでの売れ行きや、他誌の状況をみて決定しています。
わたし自身メインターゲットである、30歳前後のいわゆる「アラサー女子」と年齢は少し離れてしまいましたが、時代は変わっても世代的な悩みは、仕事や結婚のことが主になり、それほど変わらないと思っています。

読者の方々にそういった迷いがあるなかで、雑誌が背中を押してあげるというか、一歩踏み出すきっかけになる企画にしていきたいですね。

また、定番の企画も随時見直すようにしています。
2月6日発売した『CREA』3月号は、「47都道府県のパワースポット」を特集したんですけど、昨年までは「占い」特集をしていた枠だったんです。
「占い」特集に目新しさがあまりなくなってしまったこと、以前の占い特集の中でBook in Bookとして「運気を上げる小旅行」など、パワースポットの紹介したコーナーのほうが、メインの「占い」部分より、人気が高くなってしまったので、今年から変更しました。

企画は雑誌発売の半年くらい前に決めているので、昨年の夏ごろ「パワースポット」特集にすることが決定していました。
その時は、こんなにもパワースポットブームが訪れるとは、正直思っていなくて。
明治神宮の「清正の井」なんて、5時間待ちとか・・・・・・。
おかげさまで、今月号発売2週間たたずに完売しました。

定番企画に安住しないという点では、3年前のリニューアル時に「犬」「猫」の特集を12ヶ月のサイクルからは外して、ムックとしたことなどもあります。
これは売れる特集ではあったのですが、それに安心していると新しいチャレンジをしなくなってしまい、雑誌として停滞してしまう気がして・・・・・・。

また、この特集の読者は、年齢層も幅広くメインターゲットとずれてしまうことも多かったので、雑誌のターゲットを明確にするというブランディング的な意味あいもありました。
広告主は、より読者の顔を見える雑誌を望んでいますから。


――井上さんが感じている編集者としての醍醐味は何ですか?

読者からのアツい反応をもらった時ですね。
ワーキングマザーを対象にした「母になる!」特集は、中でも反響が大きいです。
「働きながらで大変ですが、産む決心をしました」という声をもらったり、「母になる!」特集を読んで出産を決意し、生まれた赤ちゃんの写真を編集部に送ってきてもらったりすると、本当にうれしいです。
他の人の人生に少しでも影響を与えられることは、編集者として大きな醍醐味ですね。


――前回も少しお話しいただきましたが、電子書籍などデジタルが多くなっている中、ウェブと雑誌との違いは何でしょうか。

雑誌は、ウェブサイトと違って、モチベーションに火をつけられる媒体だと思います。
読者にこんな気持ちを届けたい、という思いを、ストーリーとして、明確に伝えやすいんです。

ウェブサイトの場合、読者が見たい情報のみをクリックするので、知りたかった情報を得ることはできます。
ただし、それ以上は広がらず、モチベーションが上がることはほとんどないのでは。
自己完結で終わってしまうことが多いような気がします。

読者が、たまたま読んだ記事から気づきを得ることができたり、ヤル気が出てすぐに行動したくなったりするのは、やはり雑誌だからこそじゃないでしょうか。


プロフィール

大学卒業後、1991年文藝春秋入社。
『月刊文藝春秋』、『週刊文春』を経て、97年に『CREA』編集部へ異動。
2005年より編集長。


編集者の視線:井上敬子/文藝春秋『CREA(クレア)』編集長③
井上敬子さんが編集長をつとめるのは・・・。

『CREA(クレア)』  文藝春秋


4月号 「美人オーラの作り方」
3月6日発売

公式サイト CREA WEB(クレアウェブ)


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