トップページ>編集者になるために!>若手編集者はもっと貪欲になるべきです。
溝手順子/主婦の友社『mina(ミーナ)』編集長③
2010 / 02 / 10
編集長として若手編集者を見ていると、最近気になることがあるという『mina』編集長の溝手順子さん。今回は溝手さんに、その気になる点および若手編集者に身につけてもらいたいことについてお話ししていただきました。
――最近の若手編集者について、感じることはありますか?
自分で物事を考え、そしゃくする力が弱くなってきているような気がします。
このことは、長年編集者を見てきた校正の方も言っていましたね。
問題が発生し、相談に来るときも「このように変更していいですか?」という提案ではなく、「どうしたらいいですか?」と、すべてをゆだねてくる場合があるんです。
――考えることが少ない編集者が多くなってしまった理由はなんだと思いますか?
客観的に考えなくなったというか、編集者も「サービス業」だということを認識していない人が多くなってしまったからでしょうか。
編集者も読者にとって有益な情報を与える立派な「サービス」を提供しているということをきちんと理解していかないといけないんです。
不況といわれている今だからこそ、能力のある編集者がいれば、すごく目立つし重宝されると思います。
それは文章力や撮影のコーディネート力であったり、どんなことでもいんです。何か秀でているものがある人は、こんな状況だからこそチャンスですね。
――では、どのようにすれば「できる編集者」になることができますか?
まずは真似をすることじゃないでしょうか。
わたしも駆け出しのころは、コピー機に残ってしまっている企画書を見て、企画の立て方を学んだり、企画の立て方を学んだり、先輩が取材依頼の電話をしているのを聞いて、話し方を身につけていきました。
他にも自分なりに誌面を分析して、一緒にやりたいと思った先輩編集者には、自分から何かやらせてもらえるようにお願いに行きました。
そうやって、常に先輩の何かを盗もうと考えていましたね。
今の若手編集者は、どうやって自分をPRしたらよいかわからないのかもしれませんが、貪欲さが足りない気がします。
前にも話したように、おとなしくしていたら周りの人からはやる気がないように映ってしまうんですよ。
だから、隠していてはだめなんです。
といっても、他の人に迷惑がかかってしまうのは問題なので、静かにガツガツと。
「一人ガツガツ」ってことですかね。
フットワークの軽さは若い人の特権です。
成功している人は、何かしら動いていることが多いと思います。
何かをする前に言い訳をしている人は、結局動かなくて前に進めていない人が多いですよ。
若手編集者やアシスタントが100%のものを提出してくるとは、正直周りはまったく思っていないですから、そこは失敗をおそれずに突き進んで欲しいです。
また、編集者もライターも、仕事で相手が何を求めているかわかる、先が読める人になるといいと思います。
相手が期待している一歩先行くものを提供することが大事です。
そうしていけば、相手の信頼を得ることができますから。
それに、人とのつながりは、何よりも大事です。
わたしも人との出会いに助けられてこれまでやってきました。
『peewee』が休刊になってしまう時、カメラマンの方に当時創刊準備号を制作中であった『mina』編集部を紹介してもらったことがきっかけとなり、転職した経緯があるんです。
「『peewee』休刊後はどうするの?」と聞かれ「ウェイトレスでも何でもやっていきます」と答えたくらい、後のことを考えていなかったんです。
後日聞いたら、そのカメラマンの方が誰かを紹介するということは、珍しかったようなんです。
あの人からの紹介ならば、という信頼感の連鎖で『mina』編集部へ転職したようなものですから。
プロフィール
広島県出身。
ソニー・マガジンズ『peewee』契約社員を経て、2001年主婦の友社に入社。
2001年の創刊から『mina』に携わり、2008年より編集長。
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溝手順子さんが編集長をつとめるのは・・・。
『mina(ミーナ)』 主婦の友社
定価:550円毎月20日発売
mina(ミーナ)公式サイト