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編集者になるために!

 

コミュニケーション潤滑油は 「引き出し」です。

木村由花 / 新潮社『yom yom』編集長 ④

 

これまでの経験から、木村さんが考える「編集者にとって必要なモノ」について、今回はお話を伺いました。
編集者を目指されている方にはもちろん編集経験がまだあまりない方にとっても、参考になると思います。


『yom yom』編集長 木村由花さん

コミュニケーション潤滑油は 「引き出し」です。


――これまでの木村さんの経験から、編集者にとって必要だと考えるものは何ですか?


文芸というジャンルでいうと編集者が「何か」を持っていないと作家もつまらないと思うんですよ。

会ってお話したり、取材旅行に行ったりして食事をしお酒を呑んだときに、例えば「この映画がおもしろかったよ」って作家に話をふられても、編集者がみていなかったら会話はそれで終わってしまいますよね。

でも、その映画を観ていれば、映画談義に花が咲くし、執筆されたあの本は、この映画のこのシーンに影響を受けていたのか、と、新しい発見をするかも知れない。
そうして、次の仕事にも発展していく、という可能性がありますよね。


――作家さんとのコミュニケーション潤滑油ですね。

何も話題のないような相手とは話していてもつまらないでしょう。
いろんな話題を提供できるよう、自分の「引き出し」を増やすことは、心がけています。

学生や、社会人経験が浅いうちは、使える時間やお金にも制限があって難しいかもしれないですが、「引き出し」をどれだけ持っているかは、すごく大事ですね。


――そういった編集者を目指されている人の中にも、出版界全体の今後に不安を感じている人が少なくないと思うんです。最近は雑誌の休刊も相次いでいますから。

ええ。

でも読者にとって、魅力的な作品・記事があれば、本や雑誌を買ってくれる可能性はまだまだあると思っています。

だから、「引き出し」以外にもやってみたい企画をどう作るかを考える習慣やそれを表現する力は、出版界に入る前から養っておいた方がいいかな。
それは具体的でなくても、いいんですよ。

出版社に入ったら、新しい書き手の発掘や、作品のテーマや切り口など常に新しい何かを求められますから。

新しい企画を考えるときに、くだらないこと言ったらだめだろうな、とかきちんと企画書つくらなくては通らないのでは、といったことで、躊躇しているよりもバカにされるかも、と思いながらどんどんアイデアを出していけば、その中から意外なヒットも出てくると思います。

きっと出来ないからと、最初から諦めてしまうのが一番良くないのでは。


――「引き出し」は多い方が、より多くのアイデアが出てくる可能性も高いですよね。

そうです。

色々なところに目配りをしていれば何か玉を投げられたときに、投げ返せるようになるでしょう。
それはもう、ボール球でもゴロでも暴投でもよくて。
あ、暴投じゃあだめかしら。

常に投げ返せるように意識をしておくことが、編集者になってからも大事なことじゃないでしょうか。


――何がつくりたいかなど知識の先にあるものは、入社後も必要だと思います。

会議の場でも若手・ベテランに関係なく、企画は、同じレベルで出すことが出来る。

若いからだめということもなく、おもしろければすべてOK。

分け隔て無く同じラインに立てるわけだから、どんな先輩にも負けない案を出せばいいと思います。

どこの業界でも長く勤めていれば、情報は入りやすくなるし、過去の経験だって蓄積されている。
その知識の差は仕方のないことでそこを恥じる必要ない。

興味さえ持っていれば、若い人でも拾えるタネはいくらでもあるから。

ベテランの人でも、年をとって、もういいよってサボってしまったら仕事はつまらなくなってしまいます。


――いつまでたっても貪欲にってことですね。

と、なんだか偉そうなことばかりいっぱい言ってごめんなさい......
自分がちゃんと出来てるかどうか、それが一番心配です。

(続きます) 次回は12月16日更新予定

プロフィール

新潮社『yom yom』編集長
1962年生まれ。
1983年学習院女子短期大学卒。
同年4月新潮社入社、出版部に配属。
赤川次郎氏、恩田陸氏、鈴木光司氏、さくらももこ氏、横山秀夫氏ほか人気作家を担当。
2003年4月、出版企画部に異動、同年10月『旅』編集部を立ち上げ編集長に。
2006年12月、『yom yom』を創刊、現在にいたる。

木村さんが編集長をつとめる『yom yom』木村由花さんが編集長をつとめるのは。。。
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