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編集者になるために!

 

今の仕事だって、それは絶対にメリットになります。

木村由花 / 新潮社『yom yom』編集長 ③

 

大学の指定校推薦枠を取り受験し、新潮社に入社されてから、すでに20年以上編集者として働かれている木村さん。時には面接官もされているそうです。今回は、編集者の先輩および面接官としての目線で、出版社が求めている人材について、お話いただきます。

『yom yom』編集長木村由花さん

今の仕事だって、それは絶対にメリットになります。


―出版社への入社を希望する方から、色々と相談されることも多いですか?

それほど多いわけではないですが、大学生の前で話をした際に、出版社に入るには、何が必要で、何をしたらいいですか?
と、聞かれたことがありました。

個人的には、入社以前に、面白い企画などを考える土壌をつくっておくことも大事だと思いますが、実践的な編集技術を習得しておく必要はないと思っています。

もちろん、本は読んでいないといけませんが、ただ膨大な量の本だけを読む、といったマニアックな読み方をすることはない。
映画をみるとか、芝居をみるとか、旅行をするとか。
それと同じように、「本を読む」ということが「経験」の一つとして、あればいいと思います。

そういった経験を通して、得意なジャンルをみつけていってほしいです。

偉そうなことを言ってますね......。

―得意なことをみつけておけば、面接時の強みにもなりますね。

えぇ。
短い面接時間の会話の中で、「この人おもしろいな」って相手に思わせるのは大事なことです。

たとえば、落語に詳しいでも、古いアメリカ映画をものすごくみているでもいい。
得意なジャンルがあれば、何がすきなのか、どうやってみていたかなど、面接官にも教えられる情報を、持っているでしょう。

私たちも面白そうな話しだったら、いろいろ聞いてみたいから、面接時間の中で、その話題で大いに盛り上がったりする。
この人と仕事をしたら「おもしろい」かも知れないと、面接官に思ってもらえれば、それこそしめたものでしょう。

―では、こんな人は取りたくない、と思ったような相手はいますか?

以前、面接をした際に「学生時代に一番力を入れたことは、何ですか?」と質問したことがあります。

その学生は「学園祭で、やきそばをすごくいっぱい売ったんです!」と返してきました。みんなで焼いて、声出して売りました、と。
そう言われても、どう話題にしていいか、後が続かないんですね。

学園祭で焼きそばをたくさん売ったでも、もちろんいいです。でも、売るために、何を努力したのかが聞きたい。
たとえば「農家と交渉して新鮮野菜を仕入れに行きました!」
だったり、一週間老舗の焼きそば屋に修行に行ったでも、こちらが、興味を抱けるようなことを話してもらいたいのです。

―面接官に、興味を引かせることができる「何か」を持っていることが大事なんですね。

そうですね。

―最近では、新卒だけでなく異業種から編集者を目指す人を多く見受けられますが新潮社の中にも増えていますか?

新潮社でも若干名ではありますが、他の職業から転職されて、試験を受けられている方もいます。

ある種の決意や、熱意を持って転職をしているので仕事に対する「思い」も伝わってきます。

どうしても「編集」の仕事がやりたいという意欲があるのなら転職して目指すのも、良いことだと思います。

例えば、専門的な仕事を経験していて、それが編集という仕事とはあまり関係がなさそうだとしても、メリットになることもあるでしょう。

新潮社は、どちらかといえば文系の人が多いですが、例えば、ロボットつくってました、という人が来たとなったら、それまでの人脈を頼って、新書や選書といった本の企画を立てることもできるでしょう。

料理関連の仕事をしていたひとだったら、料理本の出版や、食べ物エッセイへと発展するかも知れない。

メリットはちゃんとあるはず。大丈夫です。


(続きます) 次回は12月9日更新予定

プロフィール

新潮社『yom yom』編集長
1962年生まれ。
1983年学習院女子短期大学卒。
同年4月新潮社入社、出版部に配属。
赤川次郎氏、恩田陸氏、鈴木光司氏、さくらももこ氏、横山秀夫氏ほか人気作家を担当。
2003年4月、出版企画部に異動、同年10月『旅』編集部を立ち上げ編集長に。
2006年12月、『yom yom』を創刊、現在にいたる。

木村さんが編集長をつとめる『yom yom』木村由花さんが編集長をつとめるのは。。。
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