トップページ>修了生レポート>フリーライター/エッセイスト 岡崎杏里さん
2010 / 01 / 13
これまでに、3冊の著書を発表している岡崎杏里さん。岡崎さんが本を出すことになった経緯を中心に、出版不況と言われて久しい出版界に対して感じていることなどを伺いました。

――どういった経緯で本を出したのですか?
きっかけは、編集・ライター養成講座の「卒業制作」でした。
卒業制作は、企画・取材・執筆を一人でこなすのですが、企画案段階で出した企画と、実際に課題作品として出した「介護」の企画のギャップに、出版社に勤務している講座受講生が興味を持ってくれたんです。
介護のテーマが、その方の出版社で企画として通り、一冊目の『笑う介護。』を出版することになりました。
自分でもびっくりしています。
――書き手になりたいと、昔から思っていましたか?
いつかは、と考えていましたが、"いま"ではないと思っていたんです。
最初の本を執筆するまで、マーケティングの本を扱う出版社に編集者として勤めていました。
結局両立は難しいと思い、出版社は辞めてしまいましたけどね。
この一冊を書き上げたら編集者の仕事に戻ろうと思っていたのですが、その後もエッセイを書かせていただくチャンスに恵まれ、結局戻らないまま今に至る、という感じです。
――出版社を辞めるときに不安はありましたか?
もちろんありました。
いまも不安、というか戸惑っている部分はあります。
出版社を辞めたあとに、介護の学校に通うなど、他業界への進路を考えたりもしました。
でもやはり、わたしはこの業界が好きなんですよね。
いまはこのときの経験や取得した資格が、本を書く上で役に立っています。
――いまの仕事の魅力は何ですか?
読者からの反応が得られるのが一番の魅力ですね。
いろいろな方からお手紙をいただいて、それが励みになっています。
扱っているテーマが重いものだったりはするのですが、重く書くことはしていませんし、読後感が暗い印象で終わるようにはしたくないと思っています。
ですから「読んで元気になった」というお手紙は本当にうれしいです。
いただいた手紙には、時間が掛かってもできる限り返事を出すようにしています。
――書き手として現場にいて、現在の出版界について何か感じることはありますか?
不況といわれている今だからこそ、チャンスがあると思います。
実際、わたし自身の仕事がなくなってしまったということもあります。
ただその一方で、依頼される仕事もあるんですよ。
特定のテーマを扱っている専門誌や業界では、書ける人材が不足してきている現状もあります。
だから編集者は、いい書き手がのどから手が出るほどほしいんです。
売り込みでも意外と見てくれたりしますよ。
加えて編集者はいつもネタを探していて、たくさんのブログを読んでいます。
内容の濃いものを書いている方へは、直接連絡を取るそうです。
1日中ブログで面白い人はいないかと探す日もあるそうですよ。
わたしもブログを通じて、仕事の依頼を受けたことがあります。
そう考えると、自分自身の本を出版できる可能性は、前よりも高くなっているかもしれませんね。
――これから編集者・ライターを目指す方へメッセージをお願いします。
面白いエピソードを持っているのに、それを発信していない人が多いと感じています。
自分では普通だと思っていることも、周囲の人に話してみると驚かれたり、面白がられたりすることは意外とあるものです。
私自身も家庭環境について驚かれたのが、最初の本の企画の原点でした。
体験談が企画になることもあるので、持っているものは出し惜しみせず、発信することが大事だと思います。
岡崎杏里さんの最新刊は・・・。
成美文庫
定価590円
岡崎杏里さんのブログ 続・『笑う介護。』